- Good Quality -

ヴァッレ・ダオスタの州立農業学校でありながら、同時に研究機関としても活動しているのがこの「アンスティトゥ・アグリコル・レジョナル」。絶滅の危機に瀕している土着品種の保護だけでなく、この地にあった品種の研究や、葡萄以外にも林檎ハーブ、更には酪農など、農業全般を研究しているのが大きな特徴で、このエリアにおける農業全般の発展に貢献している生産者でもあります。そんなアンスティトゥ・アグリコル・レジョナルが手掛ける、ヴァッレ・ダオスタの古くからある土着品種「フミン」で造られるワインがこれ。
14%とアルコールは意外な程高く、赤紫系のチェリーの果実感にしっかりとした酸、そして野生味のあるアクセントが加わってバランスの取れた表情が広がります。アルコールは高くても決して重くはなく、軽快な立ち振る舞いと土着的な個性と程よい飲みやすさをキープするバランス感、こういった指向性は直前に試飲したカンノナウで造られるドゥーレやトゥーデリとも共通項があり、一見すると北イタリアで造られるワインらしからぬスタイルだとも言えます。ほぼ市場で見ることがない稀有な葡萄品種でもあるので、未経験の人であればチェックしてみる価値はありそうです。
(2025/09)