- Good Quality -

北海道石狩市八幡のソーヴィニヨン・ブランを100%使用。収穫は手摘みで2024年10月3日に行い(糖度は20.2度、総酸度12.71)、選果した後に空気圧を利用するメンブレンプレスで全房圧搾(ホールバンチプレス)を実施しています。その後、2日間静置した後に澱引きを行い、酵母を加えてステンレスタンクで発酵(10日間)。4ヶ月間シュール・リーの状態で熟成させ、澱引き後に濾過と少量の亜硫酸を添加しボトリングしています。アルコール度数は11.0%。生産本数は僅か420本のみ。
基本スタイルはピノ・グリと同じで、雪解け水を想起させるような綺麗な水流的な心地良さが印象的で、まさに雪川醸造らしいクリーンかつ緻密なスタイルに仕上がっています。さらにはアタックから鮮烈な香りが広がり、これぞまさにソーヴィニヨン・ブランとでも言うべきグリーン系の爽やかな風味がストレートに伝わってきます。グレープフルーツやライムのようなインパクトのある要素はある意味ニュージーランド的な指向性で非常に明快な表情を構築していますが、その反面、ボディの構成感やその資質は北海道における日本ワインらしいスタイルだとも言えます(両者の良いところを合わせた折衷型なような世界観)。
数値的には総酸度が12.71という目を見張るかのような突出した値になっていますが、ピノ・グリと同様にかなりの量の酒石酸が結晶化していることもあってか、確かに酸自体はかなり豊富ですが、それでも思った以上に角の取れた落ち着いた指向性と言うこともあり、全体的なバランスはむしろ取れているので特に突出した要素としては感じません。とはいえ、タイトでスッキリとしたボディに爽やかな風味と鮮烈な酸で構成されているのは確かなので、ワイン単体で飲むよりも食事と共に飲んだ方が明らかに満足度は向上する傾向にあります(そう言う意味ではピノ・グリの方がポテンシャルはやや高そう)。
(2025/10)