- Good Quality -

奈良初のワイナリーとして、「奈良の風土をワインという形に表現したい」という思いで立ち上げたのが「木谷一登」。今回の「デラウェア」は奈良ではなく、山形県産の葡萄を使用し、全房比率50%でマセラシオンカルボニックを実施し自然発酵、酸化防止剤なし、補糖なし(アルコール度数9.4%)で造られています。
同じ山形のデラウェアですが、通常の白ワインとは異なる独自の表情が非常に印象的です。同一品種で白とオレンジを同時に造ると、どうしても搾汁の順番の都合でオレンジの方がアルコール度数が低くなりがちではありますが、多少儚く余韻が短く収束するものの、それでも全体像としてはバランスが取れているので特に低アルコールによる違和感はありません。仄かに枯れた松茸等のキノコ系の香りが興味深い個性を生み出していますが、それでも基本スタイルはフレッシュで瑞々しく、山形らしい鮮烈な果実感がシンプルに魅力的な表情を生み出しています。抜栓直後はやや薄く水っぽさが先行しますが、時間と共に充実感が増す傾向にあり、翌日に持ち越す方が明らかに良好な表情を発揮してくれるので意外とポテンシャルは高い印象です。オレンジワインらしい個性を持ちながらも、難易度は低いので幅広い層に対して素直に訴求する仕上がりだと言えそうです。
(2025/11)