- Good Quality -

1952年に創業し、ワイナリーがある山梨県産の葡萄にこだわったワインを造り続けるのが「駒園ヴィンヤード」。創業理念でもある「自然に寄り添うワイン造り」を継承し続け、栽培はビオロジックを実施、そしてそのブランドも契約農家の葡萄を使用したエントリーグレードの「Pony」、地域別に仕込むシングルリージョンワインでもあるスタンダードレンジの「Tao」、そして最高品質の自社圃場の葡萄のみを使用したハイエンドの「Tao Vine Yard Master」と、少量生産ながらも幅広い製品を生み出しています。今回試飲した「クリュ・ニシノ(専門店及び飲食店専用)」は、2017年にオープンした新しい自社畑でもある西野圃場(南アルプス市西野)で栽培されたピノ・ノワールから造られています。畑の標高は280m、広さは70a、土壌は砂礫、仕立ては棚一文字で樹齢5年、南アルプスから吹きおろされる冷たい風が特徴。
川窪のピノ・ノワールが栽培される甲州市とは、甲府盆地を挟んだ反対側に位置し、富士川の西岸というテロワールが特徴で、葡萄のクローン、樹齢、栽培の管理方法だけでなく、醸造に使用する酵母や醗酵等の管理方法に加え、樽熟成期間等も全て同じということから、両者の飲み比べにはかなり興味深いものがあります。実際、基本的なスタイルは同等ですがその表情や構成要素は明確な違いがあり、色調の濃さや力強い酒質を持つパワー系ピノというスタンスは同等で、熟度の高さと高アルコール系の資質が明確なのも同一ではありますが、クリュ・ニシノは清涼感のあるハーブ系の風味が感じられ、ボディはより硬質で実直な傾向にあります。ただ、共通する「苦味」がより強めに出ている点が気になり、ごわつきやざらつきを感じるテクスチャも相まって、その表情をストレートに享受しにくくなっています。使用している亜硫酸の添加量が公開されていないので不明ですが、この辺りの影響がやや気になる印象でもあります(なので余裕があれば5〜10年ぐらい熟成させた方がより向き合いやすくなりそうなイメージ)。
(2025/11)