- Recommended -

山形県産のピノ・グリを京都の四条河原町にある髙島屋、その新館「T8」ゾーンの地下1階「Eat8」ゾーンにある完全都市型のアーバンワイナリーで醸造。野生酵母で醸造し、酸化防止剤を一切使用せずそのままノンフィルターでボトリング。アルコール度数8.6%。生産本数は僅か128本のみ。
2025年の新酒で、京都ワイナリーとしても初醸造となる「ピノ・グリ」のワインですが、イタリアのフリウリの自然派ワインを仄かに彷彿とさせるような個性を感じるオレンジワインに仕上げられています。補糖していないのでアルコール度数はかなり低めですが、全体的なバランスが良好なので実際の味わいとしては特に違和感はありません。褐色がかった琥珀のような濃い赤銅色が印象的で、ボディは丸く自然派らしいたおやかな立ち振る舞いですが、同じ山形のピノ・グリでもあるベルウッドのワインとは異なり、より野生的で退廃的な要素を内包する酸が明確です。ベルウッドのような集中力やコアの求心力を感じるタイプではなく、ざっくばらんな親しみやすさや、よりおおらかで肩肘張らないおおらかなスタイルが特徴となっています。表層的には瑞々しくフレッシュで、煌びやかな要素も感じられるので、野菜を煮込んだようなソース系のニュアンスはあるものの、特に古ぼけたような印象はないので、まさに「今すぐ飲んで美味しい自然派オレンジワイン」といったところかもしれません。とは言え、実際には抜栓翌日に持ち越すことで更に綺麗に昇華し、退廃感が落ち着くとともに、逆に優しい果実の甘さが仄かに表出するようになるので(2024年までの京都ワイナリーには感じられなかったタイプの果実味)、時間と共に尻上がりに良くなっていく傾向にあります(山形の葡萄が持つ高いポテンシャルを感じる)。純粋なクオリティやポテンシャルで勝負するタイプではありませんが、親近感ある魅力が一つの美点でもあるので、アルコールが低くて飲みやすいという、旧態依然としたワイン像とは一味違う魅力があるのも確かです(とは言え万人受けするような分かりやすいタイプではない)。
(2025/11)