- Good Quality -

知人の栽培家の葡萄から造るハイエンドシリーズがこの「キュヴェ・デ・ザミ」。山形県上山市細谷の「遠藤佐一」によるマスカット・ベーリーAを88%、さらに山形県上山市赤坂の「山口久志」によるブラック・クイーンを12%ブレンド。セニエを行い、低温浸漬とロングマセレーションで抽出後、樽熟成12ヶ月間、瓶熟成は31ヶ月間。生産本数は570本のみ。アルコール度数は11%。
白ワインのコレクション・スペリオールでも感じましたが、ベルウッドのワインはトップキュヴェよりも下のレンジのアイテムになるとどうしてもオフフレーバーが気になる傾向にあり、今回のマスカット・ベーリーAに関しても硫黄系の香りが明確に出ているので、どうしても葡萄そのものの良さをかき消してしまっている傾向にあります。抜栓後に時間をしっかり与えることで大幅に軽減される傾向にありますが、それでも翌日以降に持ち越しても決して消え去ることはないので、どうしても残念な点として記憶に残りがちです(基本構成が良好なだけに余計気になる)。それでもベースとなるボディは丸くたおやかで、どちらかと言うとメルローのような柔らかさがあり、そこに山葡萄を彷彿とさせるような野生味のある酸が程よいアクセントになっています。各レンジでそこまで大きな価格差があるわけではないので、どうせ選ぶならフラッグシップの「キュヴェ・クロッシュ」を選択したいところではあります。
(2025/12)