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セパージュはピノ・ノワール100%。樹齢は4〜10年。収穫時(2022年9月16〜30日)の糖度が23.5でそのまま野生酵母で発酵しアルコール度数が13%。極粗濾過でボトリングしていますが、醸造工程で補糖、補酸、清澄剤はなし。他の品種と同様に、ピノ・ノワールも2022年ヴィンテージは遅摘を実施し糖度を熟度を限界まで引き上げています。発酵はステンレスタンク、熟成は木樽を使用。2023年7月19日にボトリングを行い、生産本数は604本のみ。
伝統的な造りのオールド・バローロを彷彿とさせるような、ややオレンジがかったクリアな色調で(とは言え無濾過なのでボトルの底の方は濁っている)、2020年と同様に枯れたニュアンスを有する酸が感じられるものの、それでも同じ水準で果実の甘みと旨みがバランスしているので、全体的なパッケージングが数段アップしている傾向にあります。優しく自然に浸透するような飲みやすさに加え、キノコ系の旨みが相まって素直な訴求力を発揮していて、日本のピノ・ノワール像としての良さもうまく導き出しています。
バランスが良好で素直な美味しさを有していますが、やや熟成が進んだようなスタイルに仕上がっていることに加え、テクスチャの解像度自体も低めでややポッテリとしたスタイルではありますが、それでも一定の独自性を放つ魅力あるピノ・ノワールとしてうまく結実している印象でもあるので、この路線のまま継続して進化を続けていけば、今後のヴィンテージで更なる期待が持てそうです。
(2025/12)