- Good Quality -
樹齢8〜22年のシャルドネを、全房圧搾、樽発酵、樽熟成で仕上げた一本。
黄色味がかったやや薄めな色調ですが、全体像としては特に奇を衒うことのないストレートなシャルドネワインとなっている印象です。樽発酵ということを前面に打ち出していますが、決してリッチな樽香が広がるようなスタイルではなく、スッキリとしたシンプルで瑞々しい仕上がりになっていて、やや生樽気味なニュアンスが感じられるものの、重厚感や骨格を持つようなものではなく、表情は親しみやすい傾向にあり、バッカスやピノ・ブラッシュのように気軽に飲める立ち位置となっています。
全体的に酸が強く、他の山﨑ワイナリーの白ワインに共通する桃のニュアンスが仄かにあり、やや酵母感が強めに出ている傾向にありますが、それでも全体的には素直に纏まっています。翌日に持ち越すと、酸以外の要素がやや減衰し、相対的に酸によりスポットが当たる傾向にはありますが、それでも食事とともに合わせるのであればそれほど問題はなさそうです。
価格帯が上のレンジに位置していますが、それでも他のアイテムよりも上位の格を持っているというわけではなく、あくまでも樽を使用する事によるコストが反映された結果のようにも感じられるので、相対的にはややコストパフォーマンスは分が悪そうな印象ですが、それでも単体で飲めば十分な水準に達しているのは伝わるので、選んで失敗するようなことは特にないと思います。
(2021/06)