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- Good Quality -

N.V.(2020/12) Wa Classic
Wakaze (Kura Grand Paris)生産者ワインリスト

Wa Classic

山形県に本拠地を構える、2016年創業という新世代の酒蔵が「Wakaze(ワカゼ/若勢)」。そんなWakazeが2019年にフランスのパリに進出し、ヨーロッパ最大規模となる酒蔵「Kura Grand Paris(クラ・グラン・パリ)」を創立。そして、山形県が誇る酒造好適米でもある「出羽燦々(長野県で生まれた「美山錦」を母に、後の華吹雪となる「青系酒97号」を父として交配育成)」を使用し、精米歩合60%で造られる純米吟醸酒相当の清酒がこの「和クラシック」。詳細な比率は公開されていませんが、掛米については山形県産の出羽燦々が使用され、麹米についてはフランスカマルグ産の米が使用されています。日本の伝統的な特定名称酒としては、麹米の使用割合が15%以上と定められているので、大なり小なり近い数値の比率が想像されることから、まさに日本米とフランス米の相乗効果による化学変化で生まれたキュヴェだとも言えそうです(後継となるGinjo 2022は100%出羽燦々に変更)。

Wakazeらしい明快な表情と、誰にでも受け入れられるであろう親しみやすい甘味を兼ね備えていますが、比較的アタック重視だった他のキュヴェとは異なり、この和クラシックはある意味日本酒らしい流麗感が印象的です(飲み頃温度は5〜10度)。甘味があっても輪郭に一切のブレがない硬水らしさはそのままに、水のように流れる優しく淡い佇まいが印象的で、梨のような心地よい果実味と相まって非常に魅力的な表情が広がります。良い意味で水のような軽やかなボディが他のキュヴェとは異なる特徴になっていますが、相対的に既存の日本酒に半歩程近づいた印象ではあるものの、それでもやはり独自性のある「Wakazeの酒」といったスタンスは維持されているので、全体像としては「新世代向けの親しみやすさを持ったハイエンド系清酒」と言えるかもしれません。

ある意味、日本酒に縁がなかった層にも高い訴求力を放つ「獺祭」とも共通する視野を持っている印象でもありますが、それでも獺祭ですらハードルが高いと感じるような層に対してでも突き刺さりそうな明快さと親しみやすさが最大の特徴で(それぐらい分かりやすく素直に美味しい)、13%という低めのアルコールと明快な甘味、そして硬水を使用するという特性、それぞれの要素を考慮したバランス感覚が秀逸で、まさに杜氏の今井翔也氏の優れたセンスが垣間見える仕上がりだとも言えます。

クオリティ、パッケージング、訴求力、いずれも他のキュヴェよりも一段秀でた水準にありますが、残念ながら価格がかなり高く、さらに輪をかけて入手が非常に困難でもあるので(既に輸入分が販売終了し、残っているのは市場在庫のみ)、やはり一般層に対してはより気軽に楽しめる定番シリーズの「ザ・クラシック」の方が無難な選択かもしれません(とは言え昨今の情勢の影響でザ・クラシックですら輸入元欠品中ですが)。
(2022/05)

参考市場価格6,600円
点数評価--

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