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- Good Quality -

2019 Pinot Noir Blue Label
Yamazaki Winery生産者ワインリスト

Pinot Noir Blue Label

山﨑ワイナリーのピノ・ノワールは「青ラベル」「深緑ラベル(以前の黒ラベル)」「プライベート・リザーブ」の3種類造られていますが、いずれも以前とは区画や醸造法に変化があり、今回試飲した青ラベルについては、主にシルト土壌のピノ・ノワールを使用し、ヴィンテージの特徴を活かす方向で仕立てられているようです(2020年ヴィンテージ情報)。

抜栓直後から香り高く、やや香水的ではあるものの、非常に明快かつストレートな芳香性が飲み手に伝わってきます。想像とは異なり、現時点で既に驚くほど飲み頃感があり、親しみやすい甘旨味を感じる素直な魅力が広がります。まさに以前の青ラベルとは全く異なる世界観なので驚かされますが、北海道らしい酸や程よい硬質感は残っているものの、それでも山﨑ワイナリーの赤ワインに共通していた硬さや軋みは一切なく、より万人受けしやすいスタイルへと大きく舵を切っている印象を受けます。ワイン単体で飲んで高い満足感が得られるようなタイプというよりも、あくまでも料理に合わせることによる相乗効果でさらに魅力が増す系譜ではありますが、それでもかなり素直な方向性へと変化しているので非常に扱いやすくなった印象でもあります。ただし、従来の世界観とのギャップがかなり大きいことから、過去のスタイルに慣れ親しんだ層からすると賛否両論あるかもしれません。ある意味、素材を生かした素直で素朴な方向性から、白ワインと同様に技術的側面がより強くなったモダンスタイル化が見られるとも言えそうですが、この変化そのものについては個人的には概ねポジティブな印象を受けます(まだ過渡期でこれからも時代に合わせて変化していきそうな印象)。

ここまでの変化だけでも十分驚かされますが、さらに驚くことに、翌日に持ち越すことで輪をかけてガラッと変化し、やや退廃的な酸が前に出た、長期熟成系のオールドヴィンテージのような個性ある世界観へと昇華します。冷涼地らしいコアの硬質感は健在ですが、不思議な熟成感と甘旨味が一体となったその風貌は、どこかトンドニアの古酒を彷彿とさせるような、ピノ寄りに変化したスペインの熟成テンプラニーリョのような表情なので、かなり興味深い世界観だとも言えます。現代基準ではやや好みが分かれる表情ではありますが、それでもオールド系が好きな層にはピンポイントで刺さりそうなので、どんなワインであってもニュートラルに向き合える人であれば思いの外高い満足感が得られそうです。

原材料の高騰や為替の問題で諸外国産のワインは右肩上がりな傾向にある中で、これだけの変化を見せながらも価格が据え置きという点は非常に訴求力が高く、コストパフォーマンス的にはかなりお薦めできる印象を受けます。今後の進化と成長も踏まえ、機会があれば新しいヴィンテージも含めて積極的に試してもらいたいところではあります。
(2022/11)

参考市場価格3,300円
点数評価--

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