- Very Good Quality -
セパージュは山形県南陽市産の自社農園のデラウェア100%。ボルドー液は使用するものの、それ以外の農薬は一切使用せず、無肥料無堆肥による有機栽培を実施しています。醸造では2つのアンフォラを使用。一つは24時間のスキンコンタクト後に発酵と熟成を行い、もう一つは除梗した後に15日間のスキンファーメントを行い熟成。熟成期間は約9ヶ月間。野生酵母で発酵し、無清澄、無濾過、無補糖、無補酸、さらには酸化防止剤も不使用と、「Made of 100% Grapes」の名に相応しい自然なワイン造りを行なっています。生産本数は1,317本のみ。アルコール度数は12.5%。
やや褐色がかった、まさにアンバーワインとも言える見た目が印象的ですが、その見た目の印象通りボディは緻密でしっかりとしたタンニンが感じられ、日本ワインらしい滑らかで軽やかな佇まいの中にも明確な意思を伴っているのが印象的です。同社のビアンコとも共通する、パインのシロップ煮を彷彿とさせる香りがアタックから広がりますが、どちらかというとより色調の濃い橙的なニュアンスが強く、終始しっかりとした飲みごたえを感じます。
通常のビアンコ、そしてアンフォラ・ビアンコと比較しても、品種がどうこうという以前に明らかに凝縮感や密度、そしてエキス分に明確な差があるので、価格はやや高価ではありますが、それでもグレープ・リパブリックという造り手の本質を理解するためには、このクラスのワインをお勧めしたいところではあります(デラに対するイメージを覆すだけの説得力があるのは確か)。
(2024/12)