- Good Quality -
ケープ・ポイント・ヴィンヤーズのワインメーカーだった「ダンカン・サヴェージ」が、2011年に立ち上げた自身のワイナリーが「サヴェージ・ワインズ」。
このキュヴェ「アー・ウィー・ゼア・イェット」は、畑が本拠地のケープタウンから約250km離れた「マルガス」ということもあり、「もう到着した?」と何度も聞き返したくなるかのような定番フレーズをそのままワイン名にしています。そして、実際に畑の近くに来た時に見えてくる目印的な存在でもある「風力発電のタービン」がそのままラベルに描かれています。2022年のセパージュはシラー67%にトゥーリガ・ナショナル33%。全房比率は10%。畑は頁岩土壌で仕立てはブッシュ・ヴァイン(樹齢16年)になります。
今回試飲した3キュヴェ(残りはフォロー・ザ・ラインとシーフ・イン・ザ・ナイト)の中では最も出来が良く、そのポテンシャルやクオリティはより水準に達しているような印象でもあります。とは言え、基本的なボディの軟質感は同じ系譜であり、テクスチャはフラットながらも一定の輪郭感があるので全体としてはやや軟質感が隠蔽されている傾向にはあります。従来よりもシラーの比率が上がっていることもあってか、表情そのものはニュートラルな傾向にあるものの、土っぽさやスパイス感等が感じられる良好なものとなっています。
現状ではやや若い傾向にあるので、全体的なバランス感と各要素の結束感が向上する翌日以降の方がより良い結果が得られる印象でもあり、そのポテンシャルを考慮するともう2〜3年程熟成させた方が良さそうではありますが、それでも一般的な飲み頃感や熟成感とは異なる指向性での「もう少し熟成させた方が良い」という印象でもあるので、基本的には無理して待たなくても良いとは思います。
(2025/06)