- Good Quality -

アルバ醸造学校を創設したドミツィオ・カヴァッツァが1894年にバルバレスコの農民を9人集めて組織し、その後発展したのがこの「プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ(バルバレスコの協同組合)」です。
通常のバルバレスコが毎年安定したクオリティを発揮し評価を得ていますが、優れたヴィンテージにはアジリ、モッカガッタ、モンテフィーコ、モンテステファノ、オヴェッロ、パイエ、ポーラ、ラバヤ、リオ・ソルドという9つの単一クリュのリゼルヴァも生産されます。
今回試飲したアジリは南と南西向きの畑で、広さ2.28ha、標高230~290m、土壌は石灰、石灰岩、粘土、砂質で、コンティ、レンボ、ヴィリノが所有する同クリュから13,333本が生産されています。
グレート・ヴィンテージとされる2016年の10年熟成ですが、初期から中期の飲み頃に到達した状態で火不足なくそのポテンシャルを享受できる傾向にあります。全体像としてはエレガント系のバルバレスコ像が広がりますが、作柄の良さが葡萄の熟度に反映されていることもあってか、明確に熟した果実味が感じられ、しっかりとしたアルコール感の元で飲み手との良好な距離感を生み出しています(表記は15%ながらも素直に飲みやすい)。内包するタンニンは充実していて、リゼルヴァらしいピリッとした苦味も僅かに残っていますが、長期熟成によってうまくバランスが取れていることもあってか、各要素は明確な表情を生み出しているものの、どこかが突出するようなことがないので終始良好な世界観が広がります。表層には乳酸系のまろやかさが感じられ、葡萄のエネルギーのみに頼ったようなスタイルではなく、しっかりと人のても感じられる造りにはなっているので、一定の安心感と共に安定して楽しむことが出来ます。まだまだ熟成は可能ですが、本質的にはピークに近い状態ということもあり、ここから大きく伸びるような系譜ではないとも言えるので、更なる期待を抱くよりは、今ある姿でもある「充実した要素を内包するエレガント系のクリュ・バルバレスコの現代的完成系」を素直に楽しむというのが最適解かもしれません。
(2026/01)